過日TVのドキュメンタリー番組を見ていた時、聴き慣れない語が出てきた。それが表題の「TESCREAL」である。MSのcopilotにこの語について尋ねてみると、以下の返答をくれた。
≪以下copilotからの引用。ただし一部は筆者編集。≫
TESCREALは、AI倫理研究者のティムニット・ゲブル氏と哲学者エミール・P・トーレス氏によって提唱された造語で、シリコンバレーの一部エリート層が信奉する未来志向の思想群をまとめたものです。
この言葉は、以下の7つの思想の頭文字を組み合わせたアクロニムです。
・Transhumanism(トランスヒューマニズム):テクノロジーで人間の限界(老化・死な
ど)を克服しようとする思想。
・Extropianism(エクストロピアニズム):進歩・自己変革・合理性を重視する未来志向の哲学。
・Singularitarianism(シンギュラリタリアニズム):AIが人間の知性を超える「技術的特異点」を歓迎する立場。
・Cosmism(コスミズム):人類の運命は宇宙へと広がるべきという思想。
・Rationalism(合理主義):感情よりも理性・論理・実証を重視する哲学。
・Effective Altruism(効果的利他主義):最大限の幸福を目指して合理的に善を行う社会運動。
・Longtermism(長期主義):未来の世代の幸福を重視し、長期的視点で行動する思想。
TESCREALは、OpenAIやGoogleなどのAI企業の思想的背景として注目されており、技術の進化が倫理的・社会的にどのような影響をもたらすかを考えるうえで重要な枠組みです。一部では「極右的思想」と誤解されることもありますが、実際にはユートピア的な左派思想に近く、「人類をより自由で幸福にする」という理想を掲げています。
TESCREALには以下のような懸念もあります。
・富裕層だけが技術の恩恵を受ける「エリート的ユートピア」になる可能性。
・優生学的な思想に転落するリスク(例:遺伝子選別)。・社会的格差を拡大する危険性。
そのため、民主的な技術利用や公平なアクセスが求められています。
「ユートピア的」との記述の通り、たしかにユートピアを想像させる内容だ。
ソ連が崩壊した時代に大学で経済学を学んでいたこともあり、ユートピアという語で真っ先に想像したのは、共産主義(者)が唱えたユートピア。思想としては「へえー」と思ったりもしたが、結局実現されなかった。問題は、共産主義よりも共産党にあったと個人的には思っている。
では、TESCREALにもとづくユートピアの実現性はあるのだろうか?・・・copilotとも対話したが、禅問答のような展開になり、結局嫌にになって途中でやめた。^^:
ただ個人的に考えたのは、シリコンバレーのエリート層は、かつての共産党と同じではないのか?ということだ。かつて共産主義者は自らを「前衛」と称していた。特定の個人を批判する意図はないが、シリコンバレーのエリート層もデジタル化、AI社会の「前衛」だとすれば、共産主義者と同様に独善に陥る可能性があるのではないのか?とも思った。
効果的利他主義として「合理的に善を最大化する」と言っても、そもそも人間は必ずしも合理的ではなく、しばしば過ちも犯す。合理的な善を唱えても、いつしか独善的な善に変質したという場面は、歴史の本でよく見かける。
こんな不透明な時代だからこそ、古臭いと思われるような歴史が意外に役立ったりする。技術は確実に進化しているが、人間そのものは同じような過ちを繰り返し、あまり進歩しているとは言えないのではないか。
AIは大事、でも歴史から学ぶはさらに大事だ。