■2回目のM&A
2度目の転職で入社した3番目の会社では合併があった。所属していた会社は、持株会社によるグループ経営の事業会社の1つであったが、グループ内の組織改編(経営統合)に伴い、同業の事業会社と合併することとなった。
複数社のITベンダーの統合で成り立っていたこのグループは、過去にも合併などのM&Aがたびたび繰り返られてきた歴史があり、合併時にも特に大きな混乱もなく、中途入社の私には「M&A慣れ」しているように感じた。

「M&A」の画像検索結果

■合併は「会社の結婚」
合併ということは、別々だった2社が1社になるわけで、まさに「会社の結婚」とも言える。会社の規程やルール、仕事の進め方なども同じにするわけだが、問題はどちらの会社に合わせるかだ。この合併は、グループ内での力関係から吸収合併的な面があり、結果的に相手側の規程やルールが優先された。しかし他方では、従業員数は旧所属会社の方が4倍近く多く、かつ事業基盤も強固だった(診断士だった私なりの評価)こともあり、ルールの円滑な定着という面では旧所属会社に合わせた方が良いのでは・・・と内心感じていた。残念ながら、当時なぜそのような規程やルールになったのかの説明はほとんどなく、今さらながら思うのは「それでは『結婚生活』はうまくいかないでしょう?」ということだ。

■「1+1>2」の相乗効果はあるのか?
合併の効果は、単純に考えれば「足し算」の論理だ。「1+1=2」であれば可もなく不可もなくだが、時として合併に伴う混乱や人事の争いなどで「1+1<2」になる可能性がある。私が経験した合併は、「1+1<2」なのかは不明だが(合併から1年数か月で退職したので)、もし両社が円満に融和し、それぞれの特長を相互に引き出し合うことができていなかったとすれば、少なくとも「1+1>2」にはならなかったはずだ。