先日、現在公募中の「小規模事業者持続化補助金」の説明会講師を務めさせていただいた。5月18日が公募期限となるので、申請を予定している事業者にとっては、大型連休を挟んで準備を本格的に進めるタイミングに入る。主な申請書類である「経営計画書」と「補助事業計画書」をどんどん書き込んでいっていただきたい。
この補助金は、小規模事業者が商工会・商工会議所の助言を受けながら経営計画を作成し、その計画にもとづいて取り組む「地道な販路開拓」などに必要な費用を補助してくれる。補助率は2/3で、上限額は通常50万円となっている。
「販路開拓」とは、既存客とは異なる新たな顧客を獲得することと解釈できるが、それを「地道やってください!」ということだ。野球に例えれば、「満塁ホームラン狙い」ではなく、俗に言う「スモールベースボール」である。事業者がそれぞれの実情を踏まえながら、顧客のニーズを捉えて、そのニーズに1つずつていねいに対応していくことを支援するのが趣旨だ。
持続化補助金は販路開拓に関わる取り組みが対象であるが、その販路開拓は「経営計画にもとづく」ことが前提とされている。したがって、経営計画書の内容がかなり重要であると言える。仮に補助事業である販路開拓の取り組み内容が優良であっても、経営計画の内容に問題があったり、販路開拓の内容と経営計画の内容との整合性や一貫性を欠く場合には、高い評価は受けられないと考えた方が良い。自社の実情、顧客のニーズ、地域の状況、競合の動向などを十分に把握しながら、時間をかけてじっくり経営計画を検討していただきたい。商工会・商工会議所の職員、そしてわれわれ中小企業診断士も「地道な取り組み」を応援している。