明治のスナック菓子「カール」が、販売エリアを縮小する。これからは近所の店舗で購入できなくなる。「そう言えば、最近買っていないな・・・」とも思ったが、実際の売れ行きも今イチだったようだ。

発売から約50年のロングセラーで、「カールおじさん」のキャラクター、「それにつけても、おやつはカール」のフレーズも浸透している商品だが、市場環境の変化への適応が後手に回っていたようだ。5月29日版「日経MJ」では、販売低迷の要因として、
・CVSの比重が増す流通構造の変化へのつまずき
・消費者の嗜好の変化
を指摘している。
限られたスペースで販売効率を追求するCVSでは、カップ入りスナックが品揃えの主流となり、棚の争奪戦で劣位に陥った。さらに、CVS各社が強化しているPB商品で“カールもどき”の商品を投入していることも影響したようだ。
また、多様な味で新商品が続々と投入されるポテトチップスの人気が高まり、カールは押され気味になっていた。

われわれ団塊ジュニア世代には、「それにつけても・・・」の認知度はかなり高く、これまで相当な金額の広告宣伝投資をしてきているはずだ。それにもかかわらず、事業を縮小させるという経営判断は、過去の投資に固執せず、「引くべき時には引く」という潔さを感じさせる面がある。しかし、それよりも大きな教訓は、消費者の好みの変化、流通構造の変化などに適応するために、商品の中身や売り方を少しずつ変える(そして時には大胆に変える)ことができなければ、超メジャーなブランドも衰退するということだ。

いずれにせよ、今後「カールおじさん」はどのような歩みを刻むのか、気になるところである。